2024.03.17
女性ホルモンの代表、エストロゲンの基本

そもそもエストロゲンって何?
「女性ホルモン」といえば聞き馴染みのある方も
多いのではないでしょうか?
エストロゲンの他に黄体ホルモンも
女性ホルモンとして知られています。
エストロゲンは主に卵胞で生産されます。
主な働きとして
- 思春期に女性らしい身体を作る
- 月経を起こす
- 妊娠、授乳が可能な状態にする
など女性器の発育や機能に関して重要な役割を果たします。
エストロゲンの主な原料
エストロゲンは主にコレステロールを原料として
合成されます。
女性では、副腎で作られた男性ホルモンの一部が
エストロゲンに転換されます。
男性では、約80%は精巣で作られたテストステロンが
脂肪組織や筋肉で転換され、残りは精巣で産生されます。
エストロゲンの作用
前述した女性の性徴だけでなく、全身に様々な
影響を与えています。
- 肝臓に作用しコレステロールの代謝調整
- 膵臓に作用しインスリン分泌の調節
- 脳の認知機能
- 情動
- 骨、筋肉、血管、消化管、皮膚などにも作用
などその作用は多岐にわたります。
エストロゲンの種類は豊富
体内で最も活性が高いと言われている
「17-βエストラジオール」
それに次いで「エストロン」
妊娠中優位になる「エストリオール」
その他にもエストロゲンは生物学的効果により規定され
植物や環境中の物質も含めると
生体内外で数えきれないほどになります。
年齢による分泌量の変化
エストロゲンは年齢により分泌量が変化します。
生後~思春期の血中濃度は低値です。
そこから思春期に向かうにつれて
エストロゲンの分泌が徐々に刺激されていきます。
そして、初経を迎えたころから閉経までは
高い血中濃度を示します。
閉経の数年前からエストロゲンの血中濃度は
徐々に低下していき閉経後は急激に下降します。
閉経からさらに5年以上経過すると検出限界以下の
値になります。
そして、この分泌量の変化は
健康に大きな影響を与えます。
エストロゲンによる病気のリスク
エストロゲンにさらされる時間が長いほど発症リスクの
誘因になる疾患があります。
特に肥満女性では
乳がんや子宮体がんの発症リスクが上がります。
閉経後のエストロゲンは、男性ホルモンが
皮下の脂肪組織で転換されたものが
ほとんどになります。
そのため、脂肪量が多いと
閉経後でもエストロゲンがやや高値を示すので
乳がんや子宮体がんの発症リスクが
高くなるとされています。
女性のお悩みの中で多くあげられるのが
ホルモンバランスの乱れについてです。
身体を温める、規則正しい生活を送ることも大切ですが、
食事、栄養バランスにも大きく影響されるため
食生活の見直しも必要となります。