2024.02.23
糖質と代謝を肝臓の働きから考える

摂取した糖質が肝臓で貯蓄されるまで
食べ物により摂取した糖質は、小腸まで運ばれ
グルコースという単糖類になり
門脈という血管を通って肝臓に運ばれ
グリコーゲン(多糖類)として肝臓に貯蓄されます。

肝臓に貯蓄されたグリコーゲンは
血糖値低下のサインを受け取ると
グルコースに分解され血中へ放出されます。
なぜ糖質を摂取すると太るのか
肝臓がグリコーゲンを貯蓄できる期間は
だいたい半日程度です。
糖質を過剰に摂取すると
グリコーゲンが肝臓の貯蔵量を超えてしまい
中性脂肪に変換され脂肪組織に蓄えられます。
こうして、摂取した糖質の余った分は
脂肪に変換されてしまうため
糖質の過剰摂取は”太る”とされています。
糖質が不足するとどうなるのか
一方で、摂取する糖質が不足すると低血糖を起こさないよう
肝臓で糖新生が起こります。
「糖新生」とは糖質以外の物質から肝臓が糖質を
作り出すことです。
①脂肪を分解する
中性脂肪は1つのグリセリンに3つの脂肪酸が
くっついて出来ています。
この中性脂肪を分解し、グリセリンが肝臓へと運ばれ
グルコースに変換され血中へ放出されます。
②筋肉を分解する
・タンパク質はアミノ酸が多量に結合してできていますが、
その結合を分解しアミノ酸が肝臓へ運ばれグルコースに変換されます。
つまり、糖質は身体にとって必要不可欠な栄養素のため
体内の糖質が不足すると何としても糖質を作り出そうとします。
その過程で、脂肪とタンパク質が使われるため
”痩せる”ことを目的とする方の中には
糖質制限を選択される方が増えてきています。
糖質制限の注意点
糖質制限を厳密に行っている方は、
ケトン体代謝を利用する身体に変化することを
目的としている方が多いです。
このケトン体代謝は、めちゃくちゃ簡単に言うと
糖質からではなく、中性脂肪からエネルギーを作り出す代謝です。
一見すると中性脂肪を分解してくれるなんて
なんて効率がいいんだ!
と考えがちですが、一つの栄養素を制限するということは
もちろん、ほかで補う必要があります。
つまり、タンパク質と脂質は過剰摂取しなければなりません。
そして、糖質の摂取が不足すると
筋肉のタンパク質分解が始まってしまうため
筋力が衰えないよう適切な筋力トレーニングも
必須となります。
また、過剰なタンパク質の摂取や
筋トレによる過剰な筋肉の使用は
腎臓・肝臓への負荷も大きくなります。
当院では、
こういったリスクや背景を考慮した上で
”なりたい身体”になる方法を
数ある選択肢の中から
見つけていくお手伝いをします。